いただいたもの、いつか渡すときまでに。
私には、ずっと、「この先」が待ってくれている。
Yの字をした場所。
そこにいつも立っている気配がします。
得たものを喪いたくない気持ち。
まだ見ぬものを追い求める気持ち。
勝負がつかずに、
あっけなく過ぎる日もあります。
Yの字をした分かれ道。
弱気な私です。
今を、明日を、明後日を、1日ずつ、懸命に生きることで、ひと粒ずつ種を集め、いつか渡すべき日のために、備えようと思います。
私は明日、どこへ往くのかな。
私は来年、なにを歌うのかしら。
私は、いつか死ぬ時も、
この痛ましさ、愛と、情を、
声に乗せているだろうか。
そのとき、私のそばに、
あなたが居てくれるかは...
そうだったら、いいんだろうけど。
人生って、わからないものね。
と、可愛らしくマダム達が微笑む。
まだ違いの分からない茶葉の香り。
目が眩むほどの想い出話をした。
彼女達からしたら、うんと若い、私。
女盛りの命を燃やして、
あすも、ただ、ただ、
目の前の人と話すのよ。
私を選んで、あの部屋に来る人達と。
一瞬ずつこの身に降り注ぐ”音楽の種”たち。
めぐりあいは、すべて、導き。
忘れないで。
”ここ”に、宿すわ。
おやすみ。
もし、私があなたの夢に出たら、
白い花を一輪だけ買ってきて、
そばに置いてほしい。
ささやかな、わがままよ。
可愛いと笑って、あなた。
土曜日が終わる。
歌のためにあった一日だった。
祝福をありがとう。
素晴らしい役割を、ありがとう。
また明日。